ブログ

2015.04.23

おねしょについて

「おねしょ」の治療って聞くとみなさんどういうふうに感じますか?

  • おねしょなんてほっといたら治るでしょ
  • 何歳までおねしょっていうの?
  • おねしょが気になるんだけど、病院で相談することなの?

そういう声がよく聞かれます。私の答えはこうです。

  • おねしょはほとんど自然に治ります。でも、小学校に入っても月に数回あったら、子どももつらいしお母さんもお洗濯大変でしょう?ちょっとした注意で早く治るかもしれませんよ。
  • だいたい小学校に入るまでのおもらしを「おねしょ」と言って自然に様子見ることも多いです。けど、小学校に入っても月に数回おもらしがあったら「夜尿症」という病気としてみてあげた方がいいですね。
  • 病院では、まず内臓の病気のせいでおねしょが長引いてないのかどうかを調べます。当院では、まず問診、診察、尿検査、超音波検査など、子どもに負担のない検査で大きな病気がないか調べます。

もう少し詳しくご説明します。

どれくらい夜尿症の人がいるの?

小学校1年生の約10%、小学校5年生の約5%にみられます。自然学校や修学旅行の時に心配になることも珍しくありません。

どうして夜尿症っておきるの?

大きく分けて二つ理由があり、一つは膀胱に貯められる尿量が少ないこと、もう一つは夜間作られる尿の量が多いことが挙げられます。そしてその二つが混合して起こることもあります。

治療したほうがいいの?

夜尿症が長引くと自尊心が低下して、自分に自信がなくなり学業などに悪影響があるという報告もあります。その悪影響は年齢が高いほど受けやすいといわれています。治療することによって、治癒率が1年で50%、2年で70%、3年で80%と様子見る場合と比べて高くなり、早く治療したほうが早く治るデータがあります。

治療って何をするのですか?

まずは、水分の摂り方やおねしょした時の対応の仕方などの生活を一緒に考えます。
それでも改善しなければ、尿を減らす作用のあるお薬またはアラーム療法を行うことがあります。
根気よく半年くらい続けてみます。よくなれば、しばらく治療を続けていきます。
良くならなければほかの治療と組み合わせたりしてみます。

アラーム療法って何?

お薬を使わない治療です。おしっこが出るとアラームが鳴るセンサーをパンツに着けて寝て、夜尿が起きると目を覚ますようにします。それを毎日続けることによって、膀胱に貯められる量が増えると言われており、それだけで治ることが期待できます。家族も一緒に起きますので、家族全員の協力が必要ですが、有効性が高い治療です。なお、アラームは保険が効かず自費での購入(約7,200円)になります。

夜尿症でお悩みのみなさま

おしっこのことで親にも打ち明けられない子どももいます。ましてや病院に受診しようなんてなかなか勇気が要りますよね。誰かに見つかったら恥ずかしいとかもあるかもしれません。当院では、どの時間帯に相談に来ていただいても構いません。私もスタッフも秘密は守ります。悩んで治るのが遅れるより、早く相談してほしいと思います。

分かりやすいおねしょに関するサイトをご紹介します。当院も相談できる医療機関に登録されています。

http://onesho.com/patient/