麻しんワクチンについて
その名の通り、麻しんを予防するワクチンです。 麻しんワクチンは、1回接種のみの場合には、2~5%の割合で十分な免疫が獲得できないことがあります。ただ、2回接種によって97~99%以上の免疫獲得が可能になります。
国内でも2回接種をするようになってから、発症例が減少しています。一方で、輸入感染が流行につながるケースは未だに確認されています。
麻しんワクチンの接種時期について
1期は生後12か月-24か月、2期は小学校就学前1年間の接種が標準的なタイミングです。ただ、早くに免疫を獲得しておくことが望ましいため、1期、2期を迎えたのであればすぐに接種されることをおすすめします。 これ以外の時期に接種する場合には任意接種となります。また、妊娠中は接種できず、接種後2か月間は避妊が必要です。
妊娠中の感染の予防のためにも、妊娠を予定されている方は、お早めにご相談くださいますようお願いします。
麻しんワクチンが受けられない人
- 妊娠している方
- 妊娠している可能性がある方(また接種後、少なくとも2か月間は避妊する必要があります)
- 過去に麻疹ワクチンに含まれる成分によってアナフィラキシーを起こした方
- 免疫機能の異常を示す疾患を持つ方、免疫力抑制をきたす治療を受けている方
- その他、ワクチン接種が不適当と医師が判断した方
麻しん(はしか)にかかるとどうなるの?
感染後、10~12日の潜伏期間を経て発症します。
鼻水、発熱、咳などの症状が2~3日続き、その後一旦熱が引いて、再度の発熱(39度以上)とほぼ同時に赤い発疹が出ます。発疹は、顔・頭に出ることが多くなります。また、口の中に白い斑点が生じますが、こちらは間もなく消失します。肺炎や中耳炎を合併することもあります。また0.1%程度の割合で脳炎の合併も認められ、ときに命にかかわる病気です。さらにごく稀ではありますが、麻しんへの感染を経た学童期に中枢神経疾患(学童期に亜急性硬化性全脳炎)を発症するケースも確認されています。
確立された治療法がありませんので、解熱剤や点滴での対処療法が中心になります。症状が重く入院が必要になることもあり、完全に治癒するまでには1カ月ほどを要します。
大人の麻しんの抗体検査と予防接種について
もし、20歳以上の方で麻しんワクチンをご希望の方は、風しんワクチンも混合したMR(麻しん風しん)ワクチンをお勧めします。
風しんも流行すると胎児に影響のある怖い病気です。
大人の麻しん抗体検査
麻しんにかかったことのない方、ワクチン接種を受けていないあるいは1回の接種しか受けていない方は、麻しんに対する十分な免疫獲得ができていない可能性があります。
免疫(抗体)の有無は、抗体検査で確認することができます。当院でも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
特に、麻しんの流行がある国・地域への旅行や赴任を予定されている方、医療に従事する方、教育機関・保育機関にお勤めの方は、確実な接種をおすすめします。
大人の麻しん予防接種
定期接種の対象外となり、任意接種となる場合にも、できる限り不足分を補い、確実な予防に努めましょう。
接種や罹患歴の有無が分からない方は、2回の接種が推奨されています。
それ以外の方は、年齢や罹患歴の有無に応じて、確実な予防のためには以下のような接種数が必要になります。
1972年9月30日以前生まれの方
1回のみの定期接種を受けている世代です。
2回目の接種を受けていない場合には、その接種が推奨されます。
1990年4月2日~2000年4月1日生まれの方
2回目の定期接種ができる特例措置の対象世代ですが、その接種率はあまり高くありませんでした。
2回目の接種を受けていない場合には、その接種が推奨されます。
2000年4月2日以降にお生まれの方
定期接種として、2回の接種が受けられる世代です。
定期接種ではありますが、受けていないという方は、その接種が推奨されます。
麻しんワクチンQ&A
妊娠中に麻しんにかかるとどのような影響があるのでしょうか?
準備中
麻しんワクチンを接種してもかかることはあるのでしょうか?
かかることはありますが、90~95%予防できると考えます。
麻しんワクチンを接種した後に、風邪で高熱が出た場合ワクチンの効能はどうなりますか?
感染症にかかっているときに予防接種を行うと、ワクチンの効果が下がることがあります。しかし、接種後に発熱した場合はあまり問題ないと考えます。